middle farm

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ぼくは何かを作るのが好きです。お店などで「もの」を見るときも、これはどうやって作られているのか、自分で作れるのだろうかなどを考えて、足を止めてじーっと観察してしまうことがよくあります。

自分で作れるものなら、自分で作ってみたい。そんなぼくが前々から作ってみたかったもの、それがいつもなにげなく食べている野菜です。

自分で作った野菜を食べてみたい。そして娘にも食べてもらいたい。娘と一緒に土をいじり、いつも食べている野菜たちがどうやって育つのかを一緒に見て体験したい。土と触れ合うことで、ぼくも娘も学べることが沢山あるのではないか。そんな想いから、野菜作りを始めることにしました。

小学生の頃、学校の授業でヘチマを作った以来の畑仕事。なにをしたらよいのかまったくわからないまま、畑を借りることにしました。

畑の広さは40㎡ほど。以前横浜で住んでいたマンションの部屋も2DKの40㎡でした。家族3人が暮らしていた部屋と同じかと思うとすごく広く感じますが、広大な田園風景の中では、狭く感じるほどです。

ずっと放置されていた畑を借りたので、はじめは歩くのも困難なくらい雑草に埋もれていました。どこから手をつけて良いのかわからなかったので、ご近所の農家の方や趣味で畑をしている先輩に色々と教えてもらいました。そこで多くの方が口を揃えて言っていたのは土を大事にしなさいということ。良いも悪いも土で決まる、それくらい土作りは大事なのだと教えてもらいました。

その教えの通り、ぼくは畑をなんどもなんども耕して野菜たちが元気よく育つ、ふかふかな土を作りました。自分がこの土に寝ても気持ちが良いだろうなぁと思えるくらいまで耕したので、次の日は全身筋肉痛で腕が上がりませんでした。さらに手のひらにできた水ぶくれがつぶれて、とても痛かったです。しかし出来上がった畝を眺めているだけで、この畑からどんな野菜ができるのだろうかと想像してワクワクが止まりませんでした。

今は「トマト」「ミニトマト」「ナス」「ピーマン」「キュウリ」「ズッキーニ」「スイカ」「えだまめ」「シソ」「パクチー」「ニラ」を小さな畑で工夫しながら育てています。娘が好きな野菜を中心に決めました。パクチーとシソはぼくと妻が選んだ大人のチョイスとなっています。

畑には娘と行くことが多く、今では「ハァタケェ行くぅ」と自らぼくに申請してくるのです。畑は娘とぼくの遊び場になっています。

ぼくが抜いた雑草の山を娘が草むらに捨てに行ってくれます。水やりがとくに大好きで全身水浸しになりながら一生懸命に手伝ってくれます。泥まみれになってお手伝いをしてくれる娘は、もうすでに真っ黒に日焼けをしています。まだまだはっきりと野菜を作るということを理解はできていないですが、きっといろなことを吸収してくれていると思います。

ぼくもわかっているつもりでいたけれど、食べるのは簡単なのに育てるのにはこんなにも時間と手間がかかるのだと、身をもって学ぶことができました。

娘はキュウリが大好物なので、毎日生のままかじりついています。ぼくが育てた野菜を美味しそうに食べている娘の姿を見て、つくづく幸せを感じる今日この頃です。

Kenta