六月の紫陽花

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まもなく5歳の誕生日を迎える娘。

6月の終わり頃。
雨が降ったりやんだりして湿った空気に触れると、赤ちゃんが生まれるのはいつかいつかとそわそわしていた気持ちを、ついこの間のように思い出す。

当時住んでいた家から、産婦人科の病院までを、秋から夏の入り口まで、毎回歩いて検診に向かっていた。
その細い道端に紫陽花がわぁっと満開に咲いた頃、あぁもうすぐ赤ちゃんに会えるんだなぁと思った。
予定日は6月26日。
初めての赤ちゃん。

持病があるため通院していた総合病院での出産を勧められ、里帰りもせずに夫と二人で臨む出産。不安でとても緊張しつつも、お腹の赤ちゃんの顔を早く見たいな〜、抱っこしたいな、まだかなぁとワクワクドキドキしていた気持ちを、紫陽花を見ると毎年思い出す。

そんな思い出を、先日娘と散歩をしている時に紫陽花を見ながら話した。

まだ幼くも5歳を前にいろいろな話を理解出来るようになったので、この話をしてみたら、にっこり笑ってとっても嬉しそうにして「今のおはなし、もういっかいして」と言った。
もう一度話すと、また嬉しそうにして「え〜、そうと〜?うれしいなぁ」と言った。
もういっかい話して、なんてそんな反応をしてくれると思わなかったので私も内心驚いた。私の想いがちゃんと娘に伝わってそれがすごく嬉しかった。

娘は紫陽花を見ると「わたしの花だね」と言う。
幾つになっても、誕生日の頃にはこの話を思い出して、心の糧にしてくれたらいいな。

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