10年ほど前にお世話になっている縫製工場の社長さんがおっしゃっていた話を、ふと思い出しました。
その方は
「これからの時代は美意識を磨くことが大切になる。」
と言いました。
今まで先人が培ってきた日本の技術が海外へ流れて、日本の縫製工場がどんどん衰退していく事への憤り、そして今後は日本のアパレル産業をどうすれば復活させる事ができるかという内容のお話でした。
そのお話の中で、
「ほとんどの事は、いずれ機械やAIがやるようになる。だから人間は美術館へ行ったり、本を読んだりして、美意識を磨かなきゃいけない。」
そうおっしゃっていました。
今から10年前です。
私はなるほどなぁと思いながらも、それはまだまだ未来の話だと思っていました。
当時はAIという言葉も身近ではありませんでした。
スマートフォンはありましたが、今のようにAIが文章を書いたり、画像を作ったりする事は考えてもいませんでした。
2026年の今。
あの時聞いた言葉が現実になっているように思えます。
AIに聞けばなんでも答えてくれます。
アパレル企業の広告にAIモデルが使われていたり、
在庫管理やデータ分析なども細かくしてくれます。
少し前まで専門知識が必要だったことも、今ではAIがかなりの部分を手伝ってくれます。
驚くほどのスピードで進化していて、自分の知らないところでは、もっともっと進化しているのだと思います。
多くの人が普通にAIを使う時代になった今、人間のやるべき事とは何なのか。
当時社長が言っていた「美意識」という事が、やはりとても重要なのだと今改めて思います。
AIは大量の情報を学習して、過去の優れたデザインやアイデア、画像や文章などを提案できるようになっていくのでしょう。
しかし
それでも「どれを選ぶか」は人間の仕事になります。
AIを使っている「その人」が何を美しいと思うのか。
何に価値を感じるのか。
前までは技術を持つ人しか表現できなかったことがありましたが、技術の壁がAIによって少しずつ低くなっています。
しかし便利な道具として活用することはできるけど、最後に決めるのは人間です。
AIに何かを相談した時に、それを実行するかしないか判断するのも人間。
経験や知識がないと正しい判断や行動はできず、AIを上手に使うことはできません。
美術館に行く事、本を読む事、先人の話を行く事など、様々なことを自分で経験して、物事を見極める眼を養う事が大切なのだと思います。
結局のところ人間力。
10年前の社長の言葉から、そんな事を考えたというお話でした。
チャットGPTより、ちゃんと地道
を心がけていきたいと思います。
kenta