毎年、この季節になると楽しみにしている事があります。
福岡はここ1週間くらいで昼間はもう半袖で過ごせるくらい暑くなってきて、庭の植物(雑草ともいう)たちが一気に勢いを増してきました。
気温が高くなり、空気の湿度が高くなってくると、そろそろ蛍が見られるかもしれないとワクワクします。
我が家の近所には、田んぼや畑の間を流れる小さな川があります。
そこには毎年5月中旬から下旬頃になると、蛍が飛んで来ます。
先週のこと、「今年はもう蛍が来てるかなと」と思い、川の方へと見に行きました。
懐中電灯を片手に真っ暗な中を歩いているこの時はなんとも言えない高揚感があります。
そして今年も、ちゃんと見ることができました。
暗い川沿いで、ふわっと浮かぶ蛍光色。
1匹見つけると、その周りにもまた光があって、その日は10匹くらいの蛍が静かに飛んでいました。
人工的な光に慣れているせいか、自然から生み出されている事がとても不思議で綺麗な光。
思えば、蛍光色とは蛍の光の色と書くのに。いつの間にか逆転してしまっている気がしました。
いつも始まりは自然から。
静かな夜の空気に、流れる川の音。
一年に一度しか来ないこの時に感動と感謝の気持ちが溢れます。
私が初めて蛍を見たのは北海道に住んでいた少年時代のことでした。
北海道の蛍のシーズンは真夏の7月終わりから8月上旬。
キャンプをしている時に森の茂みに潜んでいる蛍を見つけたのが人生初の蛍でした。
私が暮らしていた実家の周辺では蛍に出会える事がなかったので、蛍は本当にいるんだ!と興奮した事を覚えています。
その記憶の延長に、今も蛍への感動や憧れが続いているのかもしれないと思います。
蛍は環境が少し変わるだけでも、すぐに姿を消してしまうと言われています。
今私たちが暮らしている地域に昔から住んでいる方に聞いた話です。
川の上流にダム(ゴルフ場だったかな?記憶が曖昧です)が建設された後10年くらいは蛍が見れなくなったそうです。
その後時が経ち、再び戻ってきてくれて今に至るとのこと。
なぜ戻ってきたのかはわかりませんが、今は毎年蛍が飛んでいるということは、まだ自然のバランスを保てているということなのだと思います。
便利になるのは有り難いけれど、この景色を奪ってはいけないと心から思います。
子供達が大人になった何十年後でも、「今年も蛍が見れたね」と言える場所で残っていてほしいし、子供たちが目を輝かせながら感動できる景色が、この先もずっと続いてほしいと願います。
今年は息子が初めて蛍を手で捕まえて家族全員で大はしゃぎ!
発光する姿を間近で見させてもらった後、自然にリリースしました。
初夏のとても良い思い出となりました。
そして話は変わり最近の我が家のホットな話題といえば、北海道の六花亭の定番商品、「シーフォームケーキ」が商品名を変更したという話です。
あまり目立つ存在ではないけれど、北海道民なら昔から一度は見た事や食べた事がある馴染みのあるお菓子。
ふわふわのスポンジの中にクリームがしっかり入っていて、美味しくてシンプルだけれど満足感があり隠れた名品。
その「シーフォームケーキ」という長年親しまれてきた名前が時代背景や言葉の受け取られ方を考慮してなのか、名称を変更したのです。
この事を六花亭から送られてくるメルマガで知った私は真っ先に妻に報告しました。
新しい商品名は「いつものアレ(カスタード)」と「いつものコレ(キャラメル)」
妻は即座にこう言ったのです。
「素朴さが特徴的なお菓子だけれど、『ケーキ』という言葉が持つ現代のイメージが、もしかするとこのお菓子のイメージと離れてしまったのかなぁ。
あと、このお菓子は要冷蔵だから、道外へのお土産用のお菓子というよりは、道内での手土産や自宅での消費がメイン。お友達の家に遊びに行ったらよく出されるような、とても身近な存在なんじゃない?
つまりターゲットは北海道民なのでは
私も存在を教えてもらうまで知らなかったし。
『いつものアレ』と『いつものコレ』というネーミングは、道民なら誰もが見た事がある定番のお菓子にふさわしい名前だね。」
これはあくまで妄想ではありますが、なぜか説得力がありました。
今年の1月に北海道に帰省した時の事です。
地元の先輩のお宅に家族でお邪魔した時に、私たちが手土産で持って行ったのが「シーフォームケーキ」でした。
そこでシーフォームケーキを見た先輩が「うわっ懐かしい!」と言いました。
妻がその時の一連の流れを私に話してくれました。
私はその時の事について何も意識していなかったので、言われて思い出す程度でした。
そして妻が、
「なぜ商品名が『いつものアレ』と『いつものコレ』という名前になったのか全てを物語っているね」
と言いました。
六花亭社内の方がその一部始終を見ていたのではないか。。。と思わせるような出来事でした。
(ちなみにこれは妻による妄想の為、公式の理由ではありませんので、悪しからずご了承ください。)
長年愛されてきた名前を変えるのは簡単なことではないと思います。
きっと反発の声もあるでしょう。
歴史もあり、思い入れのあるお客様も多いと思います。
それでも変更するという決断には、かなりの覚悟が必要だったはず。
しかし、それだけ真剣にお客様やお客様の暮らし、そして商品と向き合っているということでもあります。
商品名を「いつものアレ」と「いつものコレ」に変更した六花亭に大いに感服いたしました。
物作りでも、暮らしでも、昔の感覚のまま続けてしまうことは多々あります。
自分では気づかないうちに、「当たり前」が今の時代に合わなくなっていることもあるかもしれないと、
時代に合わせて柔軟に見直す姿勢は、とても大事なんだとシーフォームケーキの名称変更から学びました。
ただ、その一方で「変えないほうがいいもの」もあります。
時代に合わせて変化することと、大切なものを守ること。
この二つをしっかりと見極め、バランスを保っていかなければならないと強く思いました。
蛍が住める環境や自然は必ず守っていきたいですね。
そんな5月の出来事でした。
Kenta