真夜中の詩

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商売をしている人やものづくりをしている人、世の働くすべての人にとってよくある話なのかもしれませんが、自分たちが作っている商品は、はたして人に求められているのだろうかと考えてしまうことがあります。

お店を開けていてもお客様が全然来ない日なんかは、恐怖と不安でいてもたってもいられなくなります。

青ざめるという感覚がいちばんしっくりときます。

今年は夏の暑さが長引き、秋冬物が入荷しているのになかなか気温が下がらず、秋冬商品がピンとこないアパレル泣かせの気候。

外は暑いのにブルブル震える日々を過ごしています。

それにしても今年は夏が長い。10月に入っても夜寝る時にエアコンをつけないと寝苦しくて、気候変動が急速に進んでいる事を実感します。

雨の降り方も本当に異常で、突然やってくる前が見えないくらいの大雨。どんどん地面に溜まっていく雨水を見ると洪水や土砂災害が心配になります。

気候変動を目の当たりにしているのに今の生活を大きく変えられない事にもどかしさを感じますが、まずは出来ることから一歩ずつ。みんなができる事をやれば未来は変えられる。

話は戻って自分たちは求められているのか問題についてですが、一度ネガティブな思考にはまってしまうと頭の中で負のループを永遠と繰り返してしまいます。

考えても仕方ないとはわかっていても、将来の不安や悪い事態への想像に胸が締め付けられます。

今は安価で手軽におしゃれな服が買える時代。気の利いたおしゃれな衣類がコンビニでも買えます。

そんな時代に1からパターンを引いて、多くの時間と労力を費やして日本国内でベーシックな服を真剣に作っている事は時代に合っているのだろうか。

そもそもビジネスは需要がないと成り立たず、自己満足の趣味になってしまいます。

自分の理想と現実とのギャップに打ちのめされてしまいます。

これは独立一年目からずっと、何年やっても定期的にこの不安はやってきます。

ただ毎度の事といえば毎度の事なので、そんな負のループに陥った時には、本を読んだり、音楽を聴いたりして自分の軸を取り戻すようにしています。

自分にとって本や音楽から吸収する力は本当に偉大です。

それでも苦しい時は妻にS.O.Sを出して辛いと伝えます。

2人で事業をしている利点で、すべての状況をわかってくれているのでそんな時の妻は神のよう。

そういえばまだ若かりし頃、精神的に辛くて吉野家で涙を流した時に弱っている私を受け止めてくれた事もありました。

子供の頃は親によく泣いて甘えていましたが、今思い返すと親以外の人に初めて涙を流してそれを受け止めてもらったのが妻でした。

モヤモヤを体の外から出して、牛丼を体に中に入れて、自分を立て直すことができました。

いい思い出です。

いつも支えてくれて、とてもサンキュー。

「先が見えずに不安になるのは、誰も通っていない道を進んでいる証」

これは以前に尊敬する自営業の先輩からいただいたお言葉。

不器用でもひたすらまっすぐ進むべし。

やるべきことやれマイメン。と自分に言い聞かす。

「色々あっても家族が仲良ければそれでよくない?」

これもまた違う尊敬する自営業の先輩のお言葉。事あるごとに思い出します。

それ以外にも自分を支えてくれる言葉がたくさんあります。

素晴らしい方々との出会いに恵まれた事が私にとっての財産です。

そしていつもお世話になっているたくさんのお客さまのお顔を思い浮かべて、皆様に支えてもらっている日々。

そんな事を考えていたら夜中1時半。

明日も1日1cm進んでいこう。

kenta