
旭川に帰省すると、必ずお邪魔するお店があります。
それは『IN MY BOOK STORE』さん。
オーナーの審美眼で選び抜かれたドメスティックブランドが並ぶ、北海道旭川市のアパレルセレクトショップです。
middleでもこれまで何度もPOP-UPを開催させていただき、いつも大変お世話になっています。
そして私にとっては、自分の原点を思い出させてくれるお店でもあります。
オーナーの佐々木さんは、同級生の友人のお兄ちゃん。
友人とは同じ小学校に通い、同じ住宅地で育ちました。
お互いの家は歩いて5分くらいの距離でした。
学校が終われば毎日ランドセルを玄関先に放り投げて、暗くなるまで友人たちと自由に遊ぶ。
そんな毎日を過ごしていた記憶があります。
子どもの頃は、数年歳年上というだけで、とても大人に見えます。
佐々木さんはまさにそんな存在でした。
着ている服も、聴いている音楽も、持っているものも、私たちの知らない世界のものばかり。
それでいて無理に教えるわけでもなく、ただ自然体で好きなものを楽しんでいる。その姿が格好良く映りました。
弟である友人は、佐々木さんから見聞きした新しい音楽や洋服、カルチャーの話を学校へ持ってきます。
その新鮮な情報は私たちにとっては絶対的なもので、いつも真似をしていました。
今のようにインターネットやSNSはありません。
情報源といえば雑誌かテレビが中心でした。
あるいは誰から聞く話が情報を得る方法でした。
その人自身への信頼や憧れが、そのまま情報の説得力になっていた時代です。
私にとって、その一人が佐々木さんでした。
アメカジブームの真っ只中。
US古着やアメリカブランドを知り、服にはカルチャーがあり、何がかっこ良いのかという事を、友人づてに教えてもらいました。
あの頃、佐々木さんという存在が身近にいた事で
こうして洋服のお仕事をしているのかもしれないと今になって思います。
人生を振り返ると、こういう小さな出会いや環境の積み重ねでできていると感じます。
そしてあれから何十年。
私もアパレルを生業とし、地元では数少ない同業者として仕事をご一緒させていただくようになりました。
子どもの頃は、ただ「友達のお兄ちゃん」。
そして今は、同じ業界で刺激を与えてくれる先輩。
関係性は変わっても、佐々木さんが私に与えてくれる影響は変わっていません。
人との縁というのは、途中で途切れるものではなく、少しずつ形を変えながら続いていくものなのだと思います。
小学生の頃に始まった一本の線は、今もなお、地続きのまま続いています。
kenta